経済産業大臣指定伝統的工芸品秋田杉桶樽
大館市 能代市 北秋田市
大館市、能代市及び北秋田市で生産されている国指定の伝統的工芸品です。
秋田杉を使用した桶や樽は、古くから暮らしの必需品として親しまれてきました。
近年では、プラスチック製品や金属製品などの大量生産の容器が普及し、普段の生活では見かける機会が少なくなっていますが、秋田杉桶樽は、素材としての秋田杉がもたらす木目の美しさと木の香りのほか、吸湿性や断熱性もあり、これらは大量生産品にはない大きな特長となっています。
秋田城遺跡から戦国時代のものとみられる桶の一部が発見されるなど、杉桶樽には長い歴史があります。
江戸時代には、佐竹藩の保護のもとで産地が形成されていきました。
桶と樽の最も大きな違いは、固定した蓋の有無です。固定した蓋のないものが桶、固定した蓋のあるものが樽です。また、材料としては、桶には柾目、樽には板目の材料を使います。
伝統的な各種の桶・樽のほか、杉桶樽の技術と特長を活かしたお櫃、ジョッキやカップなどの現代のライフスタイルに合わせた商品も販売されています。
杉の丸太を裁断し、短冊状にした柾目と板目の「榑(くれ)」を作り、それらに外銑という道具を使って外側を整え、内銑という道具を使って内側を整えます。
作る桶の外周に応じて榑の数を決め、輪のように立て、それに「たが」をかけ、底板や蓋をつけた後、木地を磨き、塗り等を行い表面を仕上げて製品となります。